奇跡事【完結】



「サーシャがいなきゃ、生きてる意味なんてないんだ」

「……俺に付いて来い。そうしたら教えてやる」

「行けば殺せるんだな」

「ああ、そうだ」

「キョウ!?待ってよ、キョウ!」



僕が必死に叫んでも、それはキョウに届かない。
サーティスの後ろを付いて行くキョウはぴたりと足を止めて、振り返る。


それから真っ直ぐに僕を見据えた。


「ごめん。ルーイ。俺は……どうしてもサーティスを許せない」



眉を下げ、泣きそうな顔でそう言ったキョウは。


くるりと振り返ると、もう僕の方を二度と振り向かなかった。
そして、その背中は薄くなり消えて行く。



「……きょ、う……、キョウ、キョウーーーーーーーーーー!!!」