「……昔、エレノアと一緒にいたからだよ」

「確かに一緒にはいたが、それで知ってるとは限らないだろ」

「知ってて隠しているのかもしれない。
マークおじさんは僕達に隠していた。ケーラ村がどうして作られたのか。
守るために僕達を匿っていたのかもしれないけど、余程の理由がないとそんな事しないでしょ?」

「……」

「僕達を誰から守るのか、そして結界を張っていたのか。
……それって、マークおじさんと対抗出来るぐらいの力を持った人なんじゃないかな」

「どうしてそう思う?」

「マークおじさんは強かったんでしょ?
そのおじさんがわざわざ結界を張ってまで守ってたということはだよ。
僕達を狙ってる人物はそうでもしないといけないぐらい強かったんじゃない?」

「なるほどな。それだけ強い相手ってことは、パチフィスタなら知ってるだろうと。
ルーイはそう踏んだわけだな?」

「うん」


サーティスを知っていた。
そう、言えばよかっただけかもしれない。

でも、そうしたらマークおじさんが僕達を守るために力を使いすぎたって事も知られるかもしれない。
今、そんな事を言いたくなかった。


ソアレが死んだ、今。

僕だけが知っていればいい事実だ。