奇跡事【完結】




「ルーイ、サーティスは何か言ってたか?」


キョウがぽんっと僕の肩を叩く。
思わず、体がびくっと大袈裟に揺れた。


キョウは僕の驚き方に、目を真ん丸にしている。


「どうした?」

「え?あ、いや。サーティスは…すぐに消えたよ」


サーシャを殺す為に、会いに来る。
そう言っていたのは言わないでおいた。

キョウにサーシャを不安にさせるだけかもしれないし。



「そうか。……何でソアレは殺されたんだろうか。
ケーラに何があるんだろう」



ソアレはケーラが作られた理由を話そうとしていた。


“サーシャとサーティスの関係も。マークとルーイとキョウの関係も”



ソアレはサーシャとサーティスの関係と言っていた。
僕達と、サーシャは別なのか?


まるで闇の中に手を伸ばして、真実を探しているようだ。
光が見えて近付くのに、どんどんとその光は弱まっていく。

そして、また別の場所から光が灯って近付いて行く。