「俺と、プリルの瞳を奪ったのは…、エレノアだと俺も知ったばかりだったからな」



“貴方の、右目は綺麗だったわ。……それに、とっても美味しかった”


改めて、エレノアの発した言葉を思い出すと、ゾクリとして背中が粟立った。
……エレノアはその瞳を、食べたのか?


ハッキリと言葉にはしないけど、きっとそうなんだろう。
なんて、なんて……非道なんだ。


「俺の過去はそこまでだ。それからな、パチフィスタに会って俺は知ったんだ。
呪いを、な」

「呪い?」


僕が反芻すると、カタラは神妙な面持ちで頷く。


「その呪いをかけられたのが、マークの育ての親だ」


僕達はそれに息を呑む。
育ての、親だって?


呪い?どういう事だ?



「無邪気な子供ってのは怖いな。マークがまだ自分の魔力の壮大さを自覚する前に、呪いをかけたんだ。
……一生、自分の親として側にいてってな」

「それって」

「ああ。普通の人間だったのに、死ねない体になってしまったんだよ」

「……」

「マークが呪いをかけたと気付いたのは、もっと大きくなってからだ。
だけど、術者が死なないと呪いは解けない。これはパチフィスタが言っていただろ?」


それに僕達はコクリと頷いた。