――――――――――――カタラはそこまで一気に話し終えると、ふうっと息をついた。



カタラの過去を僕達は黙って聞いていた。
何も言葉なんて挟めなかった。


壮絶すぎる、その過去に声をかける事が出来なかったんだ。
サーシャだけは目を潤ませていたけど。



「……ねえ、カタラはどうしてパチフィスタと普通に喋ってるの?」


キョウが静かにそう尋ねる。
それに、カタラがゆっくりと口角を上げた。



「あの後、俺はパチフィスタに会いに行ったんだよ。
その時にな、“僕を殺したいならそれでもいいよ。
そんな理由でも生きる理由になるでしょ。”そう言ったんだ。あいつ」

「……」

「俺は自分の無力さをよく知っている。
パチフィスタに敵うわけないってのも、な。
万が一、勝てたとしてもそれはきっと、本当の実力なんかじゃない」

「……カタラは強いと思うのに」


嗚咽交じりに、サーシャがそう言うけど、カタラは切なげに微笑んだだけだった。