「……すまなかった」

「何で、マークが謝るんだよ」

「俺がついていれば」

「ふざけるなよ。俺は一緒にいたんだ。プリルと一緒に……」


なのに、助けられなかったんだよ。

俺はプリルの体を支えている手にぐっと力を込めた。



「……その瞳のお陰で、魔力が強まってるのは知っていたんだ」

「……」

「だけど、それは他の人より強いだけで、俺みたいに魔法が使えるわけじゃない。
言う、必要はないと思ってた」

「……」

「魔法を使わなければ、存在がバレる事はなかったんだ」

「……何だって?」


マークの言葉に、俺は耳を疑った。
存在がバレることは、なかった?



「普通に生活してるだけじゃ、その魔力は他の人と変わらない。
瞳だって、目の前で見ないとわからない。
ただ、魔法を使えば質が違うからすぐにわかるんだ。俺達、魔導士には」

「……それじゃあ、プリルが狙われたのは。
―――――――俺が魔法を使った所為?」

「……言わなかった、俺が悪いんだ。カタラ、怨むなら俺を怨め」

「俺、の、所為で」

「違う!カタラ!お前は何のために魔法を使ったんだ!?」

「俺は、俺は」


――――――プリルにただ、笑って欲しかっただけだ。