奇跡事【完結】


ツーっと冷や汗が俺の頬を伝う。
そいつからはゾクゾクとするような、嫌な魔力が漂っていて、それだけで怖じ気づきそうだ。



「誰だ、お前は!」

「名乗る程じゃないわ。ただ、ちょっとここに用事があってね。
すれ違ってしまったみたいだけど。
……でも、思わぬ獲物を手に入れたわ」

「は?獲物?」

「知ってる?この、コパルトブルーの瞳って魔力が強く秘められているのよ?」

「……カ、タラ、助けて」


震えるプリルがそう声を絞り出す。
俺は登ろうと駆け出したが、それはすぐにそいつの手で阻止された。


何をしたのかはわからない。
だけど、俺の足は地面から伸びた蔓によって動きを封じられていた。


力任せに足を引っ張るが、もがけばもがく程に蔓は足に食い込んでいく。
痛みなんてどうでもいい。

プリルを助けなくては。


俺は魔法で燃やそうと試みるけど、まるで歯が立たない。
ギリギリと更に締め付けてきて俺は痛みで顔を歪めた。