その日。
マークは朝から街に向かうため、村を出ていた。
魔法具を作っていて、それを売りに行くと俺は聞いていた。
その魔法具はあくまで、魔力のサポート的なモノ。
日常生活範囲内ぐらいの魔法しか使えない。
マークなら魔法で移動する事も可能なのに、それをしなかったのは。
人間としてちゃんと暮らしたいから。と、言っていた。
俺には理解不能だった。
魔法で行けるのだから、サッと行ってサッと帰ってくればいいのに。
そんな回りくどい事をする意味がわからない。
俺がマーク程の使い手になれば、その気持ちがわかるのだろうか。
マークがいないからと言って、俺の日常は大して変わらない。
両親を事故で亡くした俺は叔父と叔母に引き取ってもらっていたけど、その家に居場所はないに等しい。
俺の両親の瞳の色は普通だったのに、俺だけコパルトブルーの瞳で、親族からは大そう疎まれた。
それでも、両親は俺を愛してくれてたし、俺もそれを素直に受け取っていた。
その愛情が両親が亡くなった事によって、パタリとなくなり。
周りからは疎まれて、誰にも相手されなくなって。
孤独が俺を蝕んでいた時に、マークが声をかけてくれたんだ。
俺の話し相手になってくれて、笑わせてくれた。
だから、俺は一人でも平気だったんだ。



