朝起きると、まだ窓の外は薄暗く、かなくんは身支度を調えていた。

「ああ、おはよう、起こしちゃった? 有給取りたかったんだけど、急には無理だったわ」

かなくんに自然とキスをされた。

かなくんと一緒に寝たからだろうか、おかしな夢も見ないし、昨日の記憶もしっかりとしている。私はもう大丈夫なのではないかと思った。

「うん。いいの。いってらっしゃい頑張ってきて」

「手術がんばれよ! ごめんな。傍にいてやれなくて」

部屋を出て行く彼を見送り、病室には私1人になった。とても寂しいと思った。

気が付くとベットから飛び降りて、かなくんの後ろ姿を見送っていた。