「♪ あんパン。じゃむぱん。クリームパン。ちょこれいとパン

いろんなパーンがあつまって~

素敵なパーンだ。パンパカ パン・パン・パン」

まだ、黙っている。まだ歌えと言うのだろうか? 外資系企業に勤めるオトナ女子の私に。

私もオトナだ。捨てたくない物もあるし守りたい物もある。だけど続きを歌った。それもオトナだと思ったからだ。

「ぱーん。ぱーん。

ぱーん。ぱーん

ぱん、ぱん、ぱんぱかぱんぱん、ぱーんぱーんぱーん」

恥ずかしい、恥ずかしいけど歌いきる。やり始めたことは最後までやる。それがオトナ女子力だと思うから。

「ぱーん。ぱーん。

ぱーん。ぱーん

ぱん、ぱん、ぱんぱかぱんぱん、ぱーん」

「ああ、もういいです。 ありがとうございます」

(´-`) ……。

この辱めをどうしてくれようか。


男の人は苦笑いをした。私は恥と当時のことを思い出して頭がクラクラしている。そもそも寝起きに歌うような歌ではない。