地球の三角、宇宙の四角。

しばらく歩いていると緑色の強い光が竹藪の奥で光っているのが見えた。

「ほら、もうちょっとだから」

なにがホラだ。

童話かぐや姫をモチーフにしているのだろうか、お昼なのに薄暗い竹藪からバラバラと漏れた緑色の光は幻想的であるのにはあるのだけど、やっぱり夜の方が綺麗というかごまかしがきくというか、どこかこうナンチャッテ感というか安っぽさが歩くたびに目立って、恥ずかしくなってきた。

タクシーで入口まで来れば良かったのかなと、じぶんの薄汚れた革靴と隣のスリッパを見て眉毛が上がった。

ごめんという何に対してのゴメンなのかを解らない言葉を飲み込んで“パヌチクーニャン”と書かれた建物というかラブホの中へと入った。

入ると全面鏡の通路で、オルゴールの音があちこちでしている。そこを抜けるとエントランスがあり滝があった。その脇にはパネルがあってなんとなく日本庭園のある部屋を押した。喉はからからだ。

わかりにくいエレベーターの前に立ち、エレベーターが開いた時に抱きつかれた。

「あれ? なに? ここ。 あれ?」

ああ、また入れ替わってる。

「ん、5階 501だって」

そういってペラペラの紙を見せる。

「なにここ、501って何? え?」

部屋の前に付いたときに「どうした?」なんて声をかけると元に戻っていた。もうどのタイミングで戻るとかどこで入れ替わるのかがよくわからない。