地球の三角、宇宙の四角。

「どうしたの? 黙り込んじゃって」

こちらの視線に気が付いたのか映美が顔を上げて聞く、この映美は僕のよく知ってる映美。



「いや、さすが女の子だなと感心して見てた」

「そう? はいマキちゃん、手術は成功しました」

マキちゃんは嬉しそうに受け止めて抱きしめた。勢いよく何度も頭を下げている。その姿を見て。こんな小さいのに、この子は女の人なんだなと気付かされる。そしてまた母のことを思い出した。僕が小学生の時、度胸試し的な意味で友達と窃盗行為を繰り返していた。子供が出来る社会への抵抗と言えばカッコイイが、最初に捕まったときに母は、店の人にこんなふうに頭を下げていた。

女の人を見るときに最近は母と似た部分を探してしまってる事に気が付く、あんなに嫌っていたのに。

だから今までは意識して母と違うタイプを求めていたように思う。ただ、女の人の本質というのはみんな同じなのかもしれない。それは僕を好きになる人は、とか僕が好きになる人はという、ものすごく狭い範囲での女の人という条件ではあるのだけれども。