地球の三角、宇宙の四角。

ぴーーーーーんと音が鳴る。

その発生源はポケットの中か、ものすごい熱源を感じる。iphoneか。

その音はどんどんと大きくなって、ポケットの中はどんどんと熱くなっていく。

男の歪みだし、両耳を押さえてふらふらとよろめいた。


ふわふわくんは、フォークを抱きしめたままぐったりとし、映美はフォークを抜いて、ふわふわくんを抱きしめた。


男は、その場で姿を消した。

しんじられない。

フォークは床に転がりおちて、映美はふわふわくんを抱きしめたまま、俯き、うずくまって震えていた。

ぼんやりと立ちつくし、iphoneをポケットから取り出すと持っていられないほど熱々になっており、少しだけ膨らんでいた。

画面を触ってもボタンを押しても、電源を入れても画面は真っ黒のままだった。うわーーーと声に出しそうになったが空気を読みながら落ち込んだ。

隣にいる少女も僕と同じように呆然と立ちつくしており、膝をついて抱きしめてあげると、その腕からするっと逃げ出すようにフワフワ君の元へと向かった。

ですよね。

だから自分の肩を触ったりネクタイを整えたあとに立ち上がって、屈伸をしたあとに「ふわふわくん、ふわふわくん」と泣くかわいい彼女のために病室を飛び出し、ガーゼをもらっておなかにぐるぐると巻きだした。

「ほら!」


ガーゼで、おなかをぐるぐる巻きにする。


映美はうんうんと頷いて「ありがとう」と言った。

「ふわふわくんはえらいな。つよいな」

包帯を巻きながら、ふわふわくんを褒めた。ふわふわくんは僕よりも勇敢で強かった。それは事実だ。

「ふわふわくんつよい」

「ふわふわくんはやさしい」

少女はふわふわくんの頭をなでながら泣きやんでいった。

「やさしいな」

「つよいなぁ」

3人で同じようなことしか言わない。