もし、自分の息子の息子がダメになって、自分の息子の一部を移植すれば自分の息子の息子が治るのだととしたら、あなたはどうするのかという女の問いに、男は迷わず命には別状あるのか、ないのならそれは無理だなというようなことを深く悩まずに答えて、おいおいそれってどういう流れで女はそんな問いをするのだとも思ったが、かなくんは早口で続けたのが――
「じゃぁ、お父さんならどう?」って女の人が聞いて
「おやじ? おやじはとっくに死んでる。だけど生きてても無理だな。兄や、いないけど弟でも、やっぱ無理やな」
「娘がいたら?」
「チンコ関係ないやん」
「一部がどうしても必要になるの」
「命は?」
「死なないけど……、いろいろと不自由に思うぐらい」
「うん。そういうことなら差し出すと思う」
「母は?」
「うん。おなじだな」
「なんで?」
「どうだろ、男だったらそうなんじゃないの?」
「私だったら」
……というやりとりが展開されていたという。
なんで、そうなったの?と聞こうとしたらグッと腕を掴まれて店内へと引き戻された。
「じゃぁ、お父さんならどう?」って女の人が聞いて
「おやじ? おやじはとっくに死んでる。だけど生きてても無理だな。兄や、いないけど弟でも、やっぱ無理やな」
「娘がいたら?」
「チンコ関係ないやん」
「一部がどうしても必要になるの」
「命は?」
「死なないけど……、いろいろと不自由に思うぐらい」
「うん。そういうことなら差し出すと思う」
「母は?」
「うん。おなじだな」
「なんで?」
「どうだろ、男だったらそうなんじゃないの?」
「私だったら」
……というやりとりが展開されていたという。
なんで、そうなったの?と聞こうとしたらグッと腕を掴まれて店内へと引き戻された。



