私の知る彼は、とても嫌な上司だった。

一体どこから湧いてくるんだその自信はという強い眼差しで、いつも私のことを見ていた。
その強引な強さみたいなものを、あんなに嫌だったものを同じ人物の中にもあると、どこかで期待していたのだろうか、もうこの人がいれば他のことはどうでもいいと思ったのは確かなのに、私の中で2人のそれぞれのいいところ悪いところを比べてしまう回数が、料金メーターが上がるのに比例し増えていった。

知りたいという好奇心の先には、なにがあるのだろうか。知識や経験や考え事や心配事が増えるたびに汚れていっているような気がする。