鉄の扉をくぐらされ、まぶしい会場に入ると大勢の人の注目を浴びた。

高校一年の夏休み明けに金髪で登校したとき以上の注目度が、自意識を襲った。

それを救ってくれたのはキツネ目の女で、駆け寄るように走ってきては「木下さん何をやってるんですか!」と取り押さえている男に頭を下げてくれた。「私の所のピーカンなんです」と、こそこそとその男らに耳打ちをして説明をした。P患?

「戻りましょう木下さん」

ざわざわとする会場を無視するように手を繋がれて、そのまま会場を2人で出た。

「す、すいません勝手に……私」

キツネ目の女は無言だった。