隣の駅のカラオケ屋。 私は、歩太の自転車の後ろに、またがった。 今まで、ここまで近づいた事はなかった。 春の夜の風が気持ちよくて、私はそっと、目を閉じた。 風にのって、歩太の匂いが鼻をかすめる。 自分の心臓が、ドキドキするのを感じていた。 .