年が明け、私は二十歳を迎えた。
妊娠5ヶ月が過ぎ、少し大きくなり始めたお腹を、ダボダボの作業服で隠し、私は今も、工場で働いている。
「リカさん、あんまり無理しないで下さいね!キツイ時は休んで下さいよ!」
郁美が、私の体を心配してくれる。
子供がいる事を、知ってる人が、近くにいる事で、私は少しだけ、安心する事が出来た。
「ありがとう!でも、もう安定期に入ったから、大丈夫だよ!」
私は、笑顔で郁美に返事をする。
最近、胎動を感じるようになった。
赤ちゃんは、元気に生きている。
お腹の中で、少しずつ、成長していく、愛しい命。
その命を感じると、私は何ともいえない、幸せな気持ちになれた。
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