「おい、タク。

 どうしたんだよ、最近。

 もしかして、

 もう大学辞めたいとか

 思ってんじゃねーよな?」


ランチタイム。


前の授業が偶然にも

一緒だったヤナと、

その教室から一番近い

カフェテラスに来ていた。


俺は遠くの景色を眺めながら

菓子パンを一口かじる。


「お、おい。

 マジで辞めたいとか言うのか?」


冗談で言ったつもりだったヤナが、

顔色を変えて俺の肩を鷲づかみにした。


「そんな事、考えてねーよ」


俺は視線を変えずに否定する。