『優姫・・・。』 そう声をかければ顔だけこっちに向けて、 俺の声に耳を傾ける。 「なぁに?」 『誕生日おめでとう』 朝起きてから、 ずっとそれを言いたかった。 どんなに早く言いたくてもメールなんて 絶対嫌だし。 直接言わなきゃ駄目なんだ。 そう、今日は君が生まれた日。 俺はきっと、君がいなかったら、 この世に存在する意味が見つからない。 それぐらい大切な子。 「・・。っ、ありがとう」 顔を朱く染めて、潤んだ目でこっちを見る。 可愛くて、こんな顔ほかのやつには見せたくない。