俺はこの顔が好きなんだ。 ずっと前から、これだけが変わらない。 俺の言葉に一喜一憂して、表情がころころ変わる君が見ていたい。 それでも、泣き顔だけはいつも見たくなかった。 たった、それだけ。 いざ手に入ってしまうと怖くなる。 俺が君を守りきれるのかとか、 馬鹿みたいに臆病になってしまう。 だけど、それでも俺は。 ――――… 夕食を終え二人してソファーに腰を下ろしてテレビを見る。 『ねぇ、』 「なにー?」 髪をそっとすいてあげると気持ちよさそうにその手に預けきりだ。