『優姫ちゃん、こいつに何か変な事されたらすぐ俺に報告すること。
わかったね?』
とりあえずコクリとうなずいておく。
『ほら、』
そういって差し出された彗の右手を、あたしは左手で包み込む。
「愛してくれて、ありがとう。」
『そういう、不意打ちは二人だけのときにもっと聞かせて。』
余裕のない顔で言われてあたしはまたただ頷くことになった。
歩幅が狭いあたしに合わせて歩いてくれているのが分かる。
あっ、そういえば荷物…
「彗、荷物は?」
形のいい唇を少しゆがめてこちらを振り返ると、
『それは優姫にお出迎えして欲しかったから。言い訳。そんなの全部もう運ばせた。』
「もう…。あたしの仕事は?」
『一緒にいてくれるだけでいい。』

