エガオノホシ





『はい。からかってるとしか思えません。私とあなたは、何の繋がりもないです。只の同級生。それだけの関係。』







『確かに、俺とお前は何の繋がりもないし…同級生だよ。同級生だけど…違う。』







坂の上で立ち止まり、
じーっと見つめ合う2人の横を通り過ぎる人達。


手を繋いだまま、
ある場所に移動する彼。







『あの…どこに?』







黙ったまま。







連れて来られたのは、
丘の上。



上を見上げれば、
夜空。



正面は、
綺麗な夜景。







『綺麗。』







心からの感動。


笑顔は…





ずっと住んでいるのに、
この場所は…

知っていたら毎日、
来てたのに。







『綺麗だろ!?最近、この場所を知ったんだよ。丘の上で寝そべり、この夜景を見ると嫌な事を忘れられる。だから…この場所は、誰にも教えたくなかった。』







『教えたくない大切なこの場所に、どうして…私を?』







『それは…分からない?』







私達には、
何の繋がりもない。


分かるはずがない。