『別に…しなくても良いです。只、聞いただけですから。』
手を強く握る。
『本当に…只、聞いただけ?本心は、聞きたい気持ちあるんじゃないの?それが、証明。』
強く握る手を指す理。
とっさに、
手を離す。
『こ…これは…』
『素直に言えば良いんだよ。この場所には、俺と森口しか居ない。俺の前だけ、素直になれば良い。俺の気持ちが、本物だと“幻”じゃないと分かって貰う為にも!』
『それは…』
『もっと、俺の事を知って貰う為にも…そして、森口の胸の内に抱える苦しみと辛さを解放させない。』
『苦しみや辛さ…?そんなの感じてません。感じていない事を、「解放させたい」って!言われても…困ります。あなたの気のせいです。』
知る訳がない。
“あの日”
あの出来事からの。
自ら何もかもを消去した私の事を。
苦しみ辛さを抱え過ごす私の事を。
その理由さえも!
誰にも分かるはずがない!!
『気のせいじゃない。何を…抱えてる?』


