『そう…ね。まさか!?あの奥村君が!!未だに、信じられないわ。』
『信じられない事をしたのよ』
案内された部屋での亜里沙と理。
『本当に、泊まっても良いの…かな?』
『泊まっても…良いんじゃねぇか!?亜里沙、怖い思いさせてごめん。酷い目に遭わせてしまって…ごめんな!』
『怖かったけど…あの女子高生の気持ち、分かるような気がする。好きな人に彼女が居る。彼女に対して敵意を示すのを…抑える事が出来なかった事。私は、大丈夫。恋なんてしないと決め諦め遠ざけてきた私が、好きになったんだもの。私なら…大丈夫。』
笑顔。
『無理して、笑顔なんて見せなくても良いよ。お前の口から“好き”の言葉が聞けて嬉しい。でも、辛い気持ちは伝えて欲しい。我慢しないで欲しい。』
自然に涙が。
『あ…ありがとう。じゃぁ~お願いして良い?』
『うん。良いよ。お願い事は?』
抱き付く。
突然の行動で驚くが!
抱きしめ微笑む理。
『これが、お願い事?』
頷く。
強く抱きしめる。
胸の中で泣く亜里沙。


