エガオノホシ





『あの…本当に、私達は…ご迷惑みたいですし…』







『迷惑じゃないわ。こっち側が悪いんだもの。気にしないで!』







着物姿の女性と番頭が歩み寄る。







『奈々子、どういう事なの?』







『理由は、後で話すわ。部屋、用意出来るの?』







『1室だけ空いてるけど、高校生2人を同じ部屋に泊めらすのは、良くないわ!!』







『俺達は、同じ部屋でも構わない。けど、営業に問題なら帰る。』







『お母さん。人助けだと思って!2人のご両親には、お母さんから…お願いよ。』







考え込む。







『わ…分かった。案内させるわ。』







部屋に案内される2人。





奈々子は、
女将である母親の部屋。







『理由、聞かせて頂戴。』







『実は…』







大学での事。
別荘での事。


全部ありのまま。




部屋の中は、
静か。


言葉が出て来ない。







『これが、理由。彼女を、このまま帰らせる訳にはいかないでしょ!?彼女の心は、傷付いて…休ませてあげたかったのよ。その支えが、あの彼。一生懸命、彼女を探す彼の彼女に対する気持ちは凄い事よ!大学生である私達は、見習わないといけないのよ!』