『彼の事…知ってるの?』
『えっ!?』
『何か…知ってるような言い方だったから。』
校内では、
お互い話す事もなく。
知ってる者同士の素振りは見せなかった。
『知ってる。私と彼は…幼馴染み。話す事もない。お互い、知らないふり。』
『そうだったんだ!皆は、知らないの?』
『知らないわ。言える訳ない。言ったら、色々と頼まれるでしょ!?人気は、高校だけじゃなかったし…私から見たら、最低男。あの群れている女子から見たらは、最高な男なのよね。人気があるのにも関わらず、彼女を作らないのよ!!』
『作らない?』
『うん。何でかな?告白されても断り続けてるし…今でも。幼馴染みから見ても、1人は…勿体ない気がする。気になる子でも居るのかな?』
気になる子?
その言葉に、
昨日の出来事が思い出される。
『気になる子?』
『うん。断り続けるのは、相手にしていないからもあるけど…他にも理由があると思って…本命が!』
校門前に群れていた女子達が、
一斉に注目。
後ろを振り向くと、
彼が立っていた。
『俺の話か!?』
『そうよ。聞きたい事があるんだけど…断り続けるのは“相手にしてない”事は、分かってる。でも、他に理由があるんでしょ!?例えば…気になる子が居るとか!?』


