エガオノホシ





丘の上での出来事は、
朝になれば何もなかった事になる。



彼も、
何もなかったように。





机の上の写真立てを手に取り見つめる。


思い出し、
溢れそうな涙。


拭い取り、
写真立てを置く。







ベッドの中に入り、
夢の中へ。







夢の中の私は、
飛びきりの笑顔。

その相手は、
遠すぎて分からない。







誰?



もしかして…







段々と消えてゆく。







待って!







何を…言いたいの?







待って!







『待って!』







目を覚ます。







あれは、
もしかして…


違う。







あの人じゃない!







でも…







時計を見ると、
AM6:35。






ベッドから起き上がり、
背伸び。