「あー私たち老けたね。」



「あったなぁ。こんなことも。」




窓から心地よい夏の匂いのする風が、肌を掠める。



「お母さん!ひいばあちゃんのとこいこ!」



膝に擦り寄ってくるのは可愛い娘。


「毎日行ってるでしょ?」



「夏月はひいばあちゃん大好きか?」



「すきー!夏月、ひいばあちゃんとスイカ食べたい!」


私たちは、顔を合わせて微笑んだ。


「それじゃあスイカ買いに行こっか。」




家の縁側には、涼しげに揺れる、あの時の朝顔の風鈴があった。