夏物語

「わかるよ!」

「わかんねぇよっ!」



薫くんはものすごい声で叫んだ。


「やめて。お願い。櫻井…ごめん。」




私は櫻井に頭を下げた。



「なんだよ…それ。お前は知らないだろうけどな、俺はずっと好きだった…こんなのないだろ?」




辛そうな櫻井の顔を見たら、これ以上言う気にはならなかったけど、


やっぱり私は薫くんが好きだから。



薫くんを愛すって決めたから。



「ごめん。櫻井。」