夏物語

「今日すっごい不安だったんだからな。」



今日はいろんなことがあった。



「何もなかった?」




櫻井に告白されたり、



お父さんがいきなり語りだしたり。



…そうだ。



「薫くんにとってキラキラ輝いてた時っていつですか?」



「俺にとってキラキラ?」







「今かな?」





「なんでですか?」




「俺は雛のことを考えてるとき一番キラキラしてると思うんだよな。雛は?」



私は…



「まだ、わかんないです。」


そう言うと薫くんは優しそうに微笑んだ。



「そんなの、焦らなくてもきっといつかわかる日がくる。だからさ、その時は、雛のキラキラの内容を俺に教えてね?」