「大丈夫、杏にはみんなが着いてるよ
麻衣も翔くんも私もいるから何も怖くなんてないよ」

「…ふぇっ、りーかぁ…!!」

号泣する彼女を私は抱きしめる

「それに、男の人なんてそこら中にいて、彼一人だけじゃないんだから
この恋があるからこそ、次へと繋がる事もあるんだよ
だから、大丈夫だから電話しよう??
みんな着いてる」

「っひく…うんっ…」

そう言い大きく頷いた杏は、ケータイを握りしめて数回深呼吸をして連絡を取った

良かった、どうやら説得できたみたい

私達は溜め息を付いて、胸をなで下ろした

電話越しからは彼の心配していた様子が伺われて、時が過ぎるにつれて笑顔になる、杏

どうやら彼女の勘違いだったようだ

やれやれ、と麻衣と顔を見合わせた

空になったコップを持ち、私はお代わり用のカフェオレを作るためにキッチンへ

すると、今までゲームをしたりして黙っていた翔くんも着いてくる

彼が言うには、ガールズトーク中だった為、話に入るのを遠慮していたらしい

「ごめんね、翔くん」

「ん??
そんなの別にいいんだけど…」

「“けど”…何??」

お湯が沸いたので、カップに人数分注ぐ

「いや、お前の言葉ってホント、説得力あるよなって思って
前のケンカん時のとか」

「んー、そうなのかな??
自分ではわかんないけど、なんかそう言って翔くんに言われると嬉しいよ
ありがと」

「いいえ」

二人で微笑み合っていると、麻衣と電話を切った杏から冷やかされた