座敷の方に三人で向かうと、縁側に腰をかけて新聞をしかめっ面で読んでいるりりかの父親がいた
「父さん、姉さんが帰ってきましたよ」
するとチラリと横目で俺達を見ただけで、またすぐに新聞に目を落とす
「ただいま、お父さん」
「お邪魔してます、おとーさん」
このおっさんとは初対面があれだったので、急に態度を一変するのは何だが不自然に思えた俺は、未だに少しぎくしゃくした接し方でしか出来ずにいた
そんな対応でしか出来ない俺は、まだまだお子ちゃまだ、と自分でも思う
「あぁ」
相変わらず、素っ気ないと言うか、冷たいと言うか…
影で溺愛するならば、こちらで溺愛すればいいのにといつも感じる
ツンデレか??
「おねえちゃん!!」
どたーんっとりりかの足元に抱きついて来たのは、小さな可愛い弟の蒼汰だ
「わぁ、蒼汰くん
また大きくなったね」
見ない間にぐんぐんと子供はでかくなっていくようで、前来たよりも背が伸びている
「へへへ、これですぐにおねえちゃんにおいつくね」
おいおい、お前もシスコンか??
この家には俺の敵が多すぎる…
「かけるー、ひさしぶりだね!!」
抱っこをせがむように両手を広げてくる蒼汰を、俺が軽々と抱っこすると蒼汰は嬉しそうに満面の笑みを見せた


