年下の不良くん


「…姉さん、コイツに嫌がらせはされてませんか??」


おいおい、久々に会ったのにまず聞くことはそれか


「え??嫌がらせ??
ううん、そんなことないよ??」


質問の意味が分からないようで、りりかはぱちくりと瞳を丸くする


「おい、弟
お前何意味不明なことぬかしてんだ」


「え、意味不明ですか??
貴方ならやりかねないと思いますがね」


爽やかな顔付きで、コイツはいつも俺を小馬鹿にするのだが、俺の怒りの逆鱗に触れたことは今のところ一度も無い


そこら辺はいちおう配慮していると思われて、俺もそれに乗っかって言い合いをするのである


「んな訳あるか
俺の何を見て言ってんだお前」


「外見だけですけど何か??」


「ふふっ、二人とも仲が良いね」


肩を上下に揺らして笑うりりかだが、流石に最初は鴻祐くんの俺への風当たりに心配していた


だが、それが悪意の無い物だと分かると、逆にこのやり取りを楽しんで聞いている


「これが仲が良いように見えるか阿呆」


「そうですよ姉さん
別に良くはありません」


何かコイツから言われると腹が立つな


「ふふっ、はいはい、分かったよ」


口ではそう言うりりかだが、きっと心の中では理解してない空返事に、俺はもう溜め息しか出ない