私の分まで進んでトッピングしてくれた蒼汰くんと、着飾ったホットケーキを二人で仲良く食べる


「……おいしい…」


「ふふっ、良かった」


目にも止まらぬ早さでホットケーキを頬張ると、私の目をじーっと見てふにゃりと笑った


「…さっきのこれつくってるとき、まほうつかいみたいだった」


最上級の褒め言葉に胸がいっぱいになり、私も自然と笑顔がもれた


「ありがとう、蒼汰くん
とっても嬉しいよ」


すると抱っこを強請るように両手を力一杯広げてきたので、私はぎゅっと抱きしめる


これでもう、蒼汰くんとの壁は無くなっただろうと、ホッと胸をなで下ろした


まだお腹が減っていた蒼汰くんが、二枚目のホットケーキをパクパクと食べている中、襖をぽすぽすとノックされる



「はーい、どうぞ」


いったい誰だろう



「ただ今戻りました」


そう言い襖からひょこっと顔を覗かせるのは、蒼汰くんの実の兄で私の義理の弟にあたる、鴻佑(コウスケ)くん


彼は名門私立に通う高校一年生で、今日は学校があり普段通りに家を出ていったのである