今日の卒業式だって時間がない等と言っていたのにも関わらず、春美さんと一緒に来てくれていた


式が終わるとすぐに帰ってしまったが…


だけど、少しずつだが普通の会話もするようになったし、父との距離は縮まっているのは確かだ


そういえばこの間、春美さんとお茶をしていた時に、父のことを“天邪鬼な人"と例えていた


それが、あまりにもそれが適当過ぎて、二人で笑った事もあった


こうした日常のネタとして笑い合えるくらい、父との関係は良好になってきていて、本当に嬉しい


「りりか、改めて卒業おめでと」


今日初めて二人きりになれたお陰で、私にしか見せない優しい笑顔を翔くんは私に向ける


「ふふっ、ありがとう」


「…やっぱさっき意地張って言った言葉取り消す」


「ん??何の事??」


「“皆で時間合わせて会えばいい"だなんてカッコつけてただけ
………本当は寂しい」


そうだろうとは思ってはいたのだが、本人から直接聞くと私の心も悲しみに包まれてしまう


「そんなの私もだよ…」


一つ歳が違うだけなのに、こんなにも離れているように感じるのは、“大学"と“高校"という枠で区切られてしまうからであろう



だけど彼からの何の飾りもない素直な気持ちは、私の心を悲しみにも包むが、沢山の嬉しさ満たしてくれた