「…お前、何馬鹿げた事を言っている」


「そっ、そうですよ…!!」


私は真実を聞けただけで、もう十分なのに


「あら、私は至って真面目よ??
ずっとね、思っていた事なの」


「いちいち余計な事をするなと日頃から言っているだろう」


「まぁ、“余計なこと"ですって??
それはどちらの方かしら
私に気を使って最初に余計な事をしたのは、貴方の方じゃありませんか
私はりりかさんと一緒に暮らすつもりでしたよ」


「春美さん…」


春美さんの言葉に嬉しくなって、目頭に涙が溢れる私に、春美さんにっこりと優しい笑顔を向けた


「……勝手にしろ」


そう言うと、父は大きな足音と共に部屋を出ていった


「りりかさん、許可も貰えた事だから、一緒に生活しません??」


急な展開に、上手く頭が着いていかない


「えっと…でも、父は快く思っていないようでしたけど…」


「ああ、あれは“フリ"だから放って置いて構わないわ」


きっと、父に対してこんなに強気に出れるのは、春美さんだけに違いない


「りりかさんがどうしたいか教えて??」


私が…どうしたいか…


父とはずっと、分かち合えないだろうと諦めていた




「──私…一緒に暮らしたいです…」




だけど初めて知った真相と、父からの子を大切に思う愛に、私はやっと気づくことができた


無駄にしてしまった時間を、これからも無駄に使いたくなかった


父に歩み寄り、今より少しだけ親子の関係を良くしたい