「あの、何か父に嫌な事とか言われてない??
大丈夫だった??」


あまりにも私が問い詰める為、翔くんはカップをテーブルに置いて向き合い、優しく微笑みをくれた


「大丈夫、何も言われてない
…それにしても、似てない親子だな
最初、マジでからかわれてるんだと思ってた」


場の空気を和ましてくれたのか、にひひといたずらっ子のように笑ういながら、心配する私の頭をわしゃわしゃとする


「…うん、真逆でしょ??」


当たり前だ


私は生まれてこの方、父と暮らした事など一度もない


あちらには既に家庭有る身であり、私は父の言わば隠し子で邪魔な存在である


「何て言うかな〜…りりかは器用だけど、おっさんは不器用だな、色んな事に関して
ホントはりりかの事すんごい心配してるくせに、そんな素振りは見せてないって雰囲気作って、素直じゃねぇな」



「違うよ、それは本心だよ
父は私の事はいらないんだよ??」


すると翔くんは、私の頭をコツンとグーで軽くパンチしたかと思うと、眉間に深く皺を寄せて驚く私に怒った


「それこそちげぇだろっ
子供の事がいらねぇっつう親だったら、わざわざ元に戻したりしてくれねぇよ
りりかが大切だから、こうやって心配して俺の所に来てくれたりしたんじゃねぇのかよ」


「………でも、父に大切にされてる…自信がないの…」


いつもいつも邪魔者扱いで、良いように利用される


最近の父は、昔の父とは違うと断言は出来るけど、でもまだ、怖い…