何分くらい抱き合っていただろうか、俺はゆっくりと彼女の顔と向き合った


「……りりか…」


名前を呼ばれて少し目を泳がせる、そんな仕草までもが俺を喜ばせる原因だなんて、彼女は知らないだろう


「──愛してるんだ」


少し藍色の瞳を大きく見開かせたかと、思うとその瞳から大粒の涙を流した


「えっ…?!ちょ、りりか?!
ご、ごめん!!
悪かったからもう泣くなって!!」


こんな駄目男からの告白は嫌だろうと思ってはいたが、まさか泣かれると想像もして無かったので、俺は動揺を隠せずにオロオロと1人でしていた


「わ、わかったから…!!
もう告白なんかしないから、泣き止んでくれよ…」


そう言って頭を撫でると、りりかは首を左右に振って俯いていた顔を上げて、涙で濡れている顔をくしゃりと崩して微笑んだ


「……違うの…嬉しくって…」



「へっ??
…俺の告白が嫌だったから泣いたんじゃねぇのかよ…??」


それなのに嬉しいっておかしくねぇかと、馬鹿な俺は思った