本当に怪しいぞ、このおっさん…
話の辻褄が合わないようならば、直ぐに殴りかかるつもりでいた
「しかし、反抗期というやつなのか、最近は痩せこけて、如何にも私に当てつけがましい態度をみせてきた」
「…りりかはんな馬鹿な真似しねぇよ
親のくせに何にも分かってねぇな、おっさん」
「貴様は、私よりも知っていると言いたげだがな、あの小娘は私の言いなりだ
逆らう事など許されない」
何故、こんなにも偏屈なおっさんが、りりかの実の父親なのだろうか、と沸々と怒りと悲しみが沸いてくる
「お前と別れるように言ったのは、この私だ
婚約をするというのに、変な虫が付いてなどいたら、格好が悪いからな」
だからか…あの日、別れを告げられた日の彼女の言葉は酷かったものの、彼女がする表情は常に悲しんでいるような、苦しんでいるような、歪んだ顔をしていたのか
「このまま事は上手く行くはずだったが、いろいろあって元の生活に戻すことにした」
「はっ??」
苛々としながら聞いていたのが、おっさんの最後の言葉に反応して頭が正明になる


