先生に手伝ってもらいながら、学校の前に止めていた車の後頭部座席にりりかを寝かせ、学校を後にした


途中、コンビニで必要な物を買い、家に着くと寝室に彼女を寝かし、直ぐに冷えピタを貼る


「あ、そういや、会議抜けて来てたんだった…」


ふぅー、と一息をついた頃に、会社の事を思い出す


多分、いや、確実に…爽に俺が会議を抜け出してきた事が、耳に入っている事だろう…


きっと、社長としてあるまじき行為だ、とか言われ怒鳴られるに違いない


「やっべぇな…」


冷や汗が出てくるが、流石に連絡をいれないという訳にもいかない為、ケータイを取り出した


ディスプレイには、爽と橘くんからの大量の着信履歴


ポケットで鳴っていた事も気づかないほどに、俺はりりかを迎えに行くのに必死だったのだ


爽からは10分おきに、着信がかかっている

「……下手したら殺されっか??」


冗談にもならない冗談を一言いってから、俺は着信ボタンを押した