「そうですか
…まぁ、岡本は自分より他人を最優先してしまう子ですからね」


「よく…ご存知なんですね」


自分より、りりかの事に詳しいこの萩原という先生に、少しの嫉妬を覚える


「一年の時に、担任をしておりましたから
それに、この間も色々と…っと、着いてしまいました」


“色々と”…??


続きがやけに気になるところで、彼女が眠っている保健室についてしまった


「あ、じゃあ僕は保険医に伝えてきますね」


先生は俺を案内すると廊下を戻っていき、俺は重みのある保健室の扉を開けた


部屋中からする医薬品の匂いは、どの高校の保健室も変わらないらしい


三つあるベッドの一つだけ、カーテンが掛かっており、りりかが眠っている事を表していた


ゆっくりとカーテンを開けると、苦しそうに眠るりりかの寝顔が視界に入ると共に、その傍らで男子生徒が腰を下ろし、彼女の手を握っていた


強く沸き上がる嫉妬と、独占欲


昔から俺は、自分の物を人に触られる事を、頑なに拒否する質であった


その嫉妬心、独占欲のせいで、“重い”と何度も女と別れた記憶がある