お皿に乗っている美味しそうなケーキは、春に先駆けてのメニューらしく、ピンク色がベースとなっている


「美味しそう!!」


また、ピンクという色は、女子の心をがっしりと鷲掴みする色で、本当に可愛い


「まぁまぁ、食べてみてよ♪」


「はいっ」


ぱくりと食べると、口の中に苺の旨味とクリームの甘さが広がるが、甘すぎる、というわけではなく、程好い甘さ


「最高です!!」


「良かった~
りりかちゃんのに食べてもらってから、店に出そうと思ってたんだ」


「わざわざ、ありがとうございます」


食べていた手を止めてお礼を言うと、晃さんは無邪気ににかっと笑った顔が、翔くんそっくりで胸が締め付けられた


「──りりかちゃん、翔が学校に行くようにしてくれてありがとね
やっぱり、君の影響力はすごいね」


食べ終わったお皿を片付けた晃さんが、翔くんが学校に行くようになった理由を知っていて、目を見開く、私


「…誰から、聞いたんですか…??」


「あぁ、担任の先生にちょこっとね」


やっぱり、そうか…


先生、言わないって約束したのに…


裏切り行為をした先生に、心で少し悪態をつけていると、晃さんがコーヒーを淹れてくれた