自分の事しか私は頭に無かった
いつも支えてくれている親友が、こんなにもなるまで悩んでいた事に、全く気づけていなかった私は、なんて愚か者なんだろうか
「…優美、ごめんね
全然気づけてあげられなくて…」
「あはっ、りりかが謝ることじゃないよ～
言っても最近やっとね、この事の答えが見つかったの
近々、この事を言おうと思ってたから、ちょうど良かった」
と、朗らかに笑う優美が痛々しい
きっと、この答えを出すのに相当悩んだことだろう
………だけど彼女は、昔から一人で考えてから他人の意見を聞き、行動にするタイプ
それを思い出した私は、一人で答えを出した彼女に対して、プラスの意見を投げかけることにしよう
「そんなに自分を卑下しなくていいんじゃないかな??
私からしたら、優美も武蔵くんも、純粋でとってもいい人だよ??
武蔵くん前に言ってたの、“優美の全部が好きだ”って
だから、そんなに遠慮することないよ
もっと、自分に自信を持って!!」
いつの日だったか、武蔵くんが言っていた言葉
こんなに愛されてる優美が、羨ましく思えたんだ
「……アイツ、なかなか言うね」
言葉とは裏腹に、優美は嬉しそうに綺麗な顔を崩して微笑む
うん、この二人はきっと近々、上手くいくに違いない
いや、私の分まで上手くいってほしいのだ
迷惑をかけっぱなしの二人への、私からの償いであった
