私は数学準備室を離れて、今すぐにでも翔くんの元へと飛んでいきたいのをグッと堪えて、自分の教室で優美がくるのを待った
「りりか、おはよう」
「おはよう、優美
来てくれたみたいで本当に良かった」
「武蔵が言ってた通り、無理矢理引っ張って来させたみたい
清水くんの家族一同、協力のもとね」
ふふっ、と自然と頬が緩む
「そうなんだ
…またこうして学校で会えるのが、自分から別れたのに嬉しいんだ」
「りりかが悪いんじゃないよ
だから、そんな余計なこと思わないで、素直に喜んだらいいんだから」
ぽんぽんと頭を撫でて慰めてくれる
「ふふっ、ありがとう」
「お弁当作戦、上手くいきそうだね」
「うん、そうなの
武蔵くんのおかけだね」
「前にもそんなこと言ってたね
武蔵って、普段は役にたたないけれど、いざというときすっごく役にたつと思わない??」
「そんなこと言ったら、武蔵くんに悪いってば~」
優美のジョークにお腹がよじれそうだ
そんなとき、私は優美にあることを聞こうと身を乗り出した


