ケーキを食べ上げた晃さんは、次は注文していたクッキーに手を運ぶ
「…翔と、別れたの??」
翔くんとの事を切り出され、ビクッと肩が上がり、いつもより真剣な顔をした晃さんを見つめた
だけど、後ろめたい気持ちが強くて、自然に目が伏せていき、膝にある自分の手を見つめていた
「あ、別にりりかちゃんを責めてる訳じゃないからねっ…!!
ほらっ、男と女が付き合うんだから、いろいろ思うこともある事くらい、俺、よくわかってるつもりだからっ」
言い方が悪かったねっ、と晃さんは私を気遣って焦った
「はい、わかってます…
すいません、何か気を使わせてしまって…」
「ううん、そんなことないよ
…あのさ…こんな事聞くのも何なんだけど…
翔からフったの…??」
晃さんは、誰も周囲に知人なんていないのに、口に手を寄せ内緒話をするように聞いてくる
「あ、え…いえ…フったのは私です…」
あれだけ仲良さそうにしておいて、私から別れを告げた事、軽蔑されるかもしれない
グッと拳に力を込めて、覚悟を決める
「──あ、そうなの??
なぁんだ~、アイツからじゃ無かったんだな
面白くねぇな~」
ちぇっと口を尖らせている晃さんに、何を言っているのかわからず、目が点になる


