「春樹!!
この道、駅に行く道じゃないよ?!」

慌てた私が言うと、春樹は、ははっ、と笑いハンドルを回す

「学校まで送るろうと思って
その方が早く着くでしょ??」

「まぁ、そうだけど…
なんか悪いよ…」

「悪くなんかないよ」

「…わざわざごめんね??」

春樹の家から少し距離がある、私の高校

そこまで送ってもらえるとは思ってもみなかった私は、申し訳ない気持ちでいっぱいになる

「これくらい大丈夫だから
家に帰ったらぐっすり休むし、そんなに心配した顔しないで??」

赤信号になり車がゆっくりと停まると、春樹の大きな優しい手が私の頭をポンポンと撫でた

「…わかった」

世話になりっぱなしだ…

少しして学校付近に車が停車する

私は彼に別れの挨拶を告げて手を振り、目の前にある学校に入った

いつもより、少し早めに学校に着けたのは、春樹のおかげだ