「何かあったの??」
「……りりかが付き合ってたとか聞いたことあるか??
ここ最近で」
そう、それが一番しっくりくる
「…いや、ないね
彼女の資料にもそんな事は記されてなかった」
確かに、向こうから渡された資料を俺も見たが、そんな内容は一切記載されていなかった
「……」
「…けど、彼氏の一人や二人はいてもおかしくないと思うよ
りりかは、とっても良い子だから」
それは、俺も理解できる
たった資料を取りに帰っただけにも関わらず、温かいコーヒーを淹れ、終いには夕飯まで作り上げた
いつも他人のためにせっせと動く
「……だけど、彼女は俺の前でいつも何か隠してるんだよ
時々、悲しそうな顔もする」
「…そうか」
俺は春樹と違い、日頃一緒に居るわけではない
朝の送り迎えくらいだ
だから、あまりそういうところはわからないが、いつも笑っているあの表情が、彼女の心からの笑顔では無いことくらいすぐに理解できる


