「近藤さん」
真剣な眼差しで優美は、春樹を見つめる
周囲の空気はガラリと張りつめたものになった
「どうか、りりかを宜しくお願いします──」
親友から発せられた言葉は、私の胸を熱くさせた
いつも隣にいてくれた、優美
そんな彼女だからこそ、私以上に私を知ってくれていた
「うん、わかったよ」
ニコリとまた微笑んだ春樹は、半泣きの私の肩を抱いて、私達は別れを告げた
「──良い友達だね」
家に着き、出来上がった夕飯を礼儀正しく合掌をして、ニコニコと食べる、春樹
「うん、自慢の親友なんだ」
「まさか初対面の俺に、あんな事言うだなんて思ってもみなかったな~」
「ふふっ、思わずジーンときちゃったよ」
「ははっ、半泣きだったもんね
…というわけで、そんなりりかに良いお知らせが♪」
箸を置いた春樹につられて、私も箸を置いた
「来週から学校に行けるよ」
「う、そ…ホントに…??」
嬉しいのに、嬉しくない──
複雑な気持ちが、私の中で入り乱れる


