「迷惑だなんて私達、思ってないからね
一人で全て抱え込むくらいなら、もっと私達に頼って、甘えて」
私の心を察したのだろう、自分が今考えていた事を全て言われ、私はびっくりした
そして、優美の言葉に私は救われた
「…うんっ、ありがとう…」
自然と溢れ出てきてしまった涙を、笑って拭うと優美が
「いつだって、私はりりかの味方だからね」
ギュッと抱き締めてくれた
「はっ、そんなの、俺だって…!!」
優美を私に取られて悔しいのか、ツンツンと会話に入ってくる、武蔵くん
「アンタはいいから」
「ひっでーよ!!」
またまた始まった二人の会話に、涙が止まってしまう
もしかしたら、武蔵くんはそれを計算してわざと、喋ったのかな…??
もし、そうならありがとう
「……武蔵くん、翔くんはとどうしてる??」
思い出したらすぐに心が折れてしまいそうな、毎日
わざと考えないフリをしていたけれど、武蔵くんが目の前にいると聞いてしまう
「…アイツは、ずっとぼーっとしてる」
「そっか…
…まだ、私の家に…??」
「ううん、もうそれはしてない」
多分、あの家は売られている気がする
もう私が帰る家は、春樹のあの高いマンションしかない


